タイヤをずらして走らせるという事

どう書くべきか悩んでなかなかまとめられずブログご無沙汰になっちゃいました。
今回はTRAIL CUTTER参加者に強くお願いしているタイヤをずらさない走り方について。
持続的にトレイルを使うためには維持管理以上に重要なのがこれ。

「タイヤを滑らせる、もしくはずらす走り方をしないこと」

マウンテンバイクが走ればどんなに丁寧に走ろうが必ず地面の浸食は発生する。
中でもタイヤを「滑らせる」、「ずらす」走り方は確実に地面から土をこそげ落としていく。
もちろん一人がタイヤで削る量はわずかかもしれない。
でもそこを走るのはあなただけ?
何人もが繰り返したときの積み重ねはとてつもない土をトレイルから奪っていく。

最大の問題は削られた土は二度と戻すことはできないという事。
周辺環境に薄く拡散し有機物と混ざってしまったものはもはや回収不可能。
仮に戻せたとしても土の形質が変化してしまうため、固まらずトレイルの路面にすることはできない。
削れた土はどこか別の場所から持ってくるしかない。
これが本当に難しいのだ。
外部からトレイルに運び込むことは道路に近いような場所でもない限りほぼ不可能、結果としてトレイルの周りから掘り出してくるしかない、山は樹木が根を張ってるし、山地ではすぐ下に岩盤があることも多い。
山では簡単に土を確保できないのが普通だ。
その少ない限られた土を集められるのも数回なら可能だろうが回数を重ねるごとにより困難になっていくだろう。
トレイルも含めそこは誰かが所有する土地でもあるからそもそも掘り返していいのかという問題もある。こんなことから一度荒らしたトレイルを元に戻すということは極めて難しい。
トレイルを走ってる方なら各地のトレイルが年々ボコボコになってるのは感じるはずだ。

トレイルの利用とは有限な資源を食いつぶしていることをまずは理解してほしい。
だからこそ良い状態を少しでも長く、一人でも多くの人が楽しむためのマウンテンバイカー一人一人の気遣いでトレイルを延命させながら使うしかない。
まあ、周りの山林環境をいくら壊しても問題ないならその限りでないかもしれないが・・・。

もう一つの大きな問題、
あなたが気持ちよくタイヤを滑らせて快楽に浸った代償を被る人がいるという事。
土砂の流出や流入を食らう地域の人や土地所有者は言うに及ばず、これからマウンテンバイクを始めるであろう未来のマウンテンバイカーや子供たちがその最たる被害者となる。
将来にボコボコに掘れたトレイルしか残せないってそれでいいのか?

よくタイヤを滑らせて走る事こそマウンテンバイクだという人がいる、しかし周りに迷惑をかけてあなたの快楽ライドを押し通すのがマウンテンバイクのスタイルか?
スピードを出して派手に土を巻き上げるのがかっこいいのか?
誰かの迷惑や破壊の上にマウンテンバイクライドを楽しむというのは嫌だなと思う。
自分一人くらいとか、できないからしょうがない、そんな言い訳はいらない。
速く走ることや派手に走る事ばかりでなく、周りへの配慮をした痕跡を残さないさないスマートな走り方こそかっこいいと思うし責任ある大人の遊び方だと思う。

 

 

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