トレイルはお金がかかる

持続的マウンテンバイク環境を作るの3回目
ここまで土地の権利者と話をする、いわゆる人のつながりについて、
そしてトレイル自体を持続的に利用していくための物理的なことについて書いてきた。
今回はこれらを行っていくためにはどんな形であれお金がかかってしまうよ、という話。
トレイルを作り継続させていくにはとにかく労力が必要。
山を調べ、関係者に説明を尽くし了解を得て、許認可関係をクリア、ここから現場での工事を行いトレイルを形にする。
ざっと並べても結構な作業量。
仲間内で走る場所を確保するくらいなら簡単に済ます方法はいくらでもある、でも不特定多数の人が走ることを考えれば調整の範囲もケタ違いに多くなる。

この労力の確保はだれかが本気で時間を使わないとなかなかに難しい。それはわかりやすく言えばお金がかかるということ。

そしてもっと大変なのは作った後。
日本の気候風土において誰の手も入らず通れる山道が存続することは100%ありえない。通れるという事はそこに誰かの労力が常に入ってる確固たる証拠となる。
自然環境に由来するトレイルの形状変化は、驚くほどあっさりとマウンテンバイクが走れる状態を消し去ってしまう。
逆に使用頻度が上がれば今度はマウンテンバイク自身による浸食も発生する。走る人数が多ければ多いほど浸食圧は強くなる。これも常にメンテナイスを必要とする状況を生み出す。
ではその維持の労力、言い換えれば費用をどう出し続けるか?
作ってから時間が経過すればするほどにこの作業量は増加することが多く、
それを継続する仕組みを作っていくことも持続的なトレイルにはとっても重要。いや、むしろ最重要かもしれない。
楽しいマウンテンバイクトレイル、残念ながらそれはただでは手に入らない。
不特定多数の利用を個人の情熱で支えるのは極めて困難であり、続けるという困難は簡単に情熱を上回っていく。
今各地で増えている有志が集まってボランティアで継続していく形、これも一つの手立てだと思う。ではボランティアならお金がかからないか?とんでもない!ボランティアで行うにしてもいろんな部分でお金はかかる、このボランティアという形、往々にして個人の情熱に依存してしまうことが多く、費用も個人が負担してしまうことが多い。それを続けていけるか?そこは真剣に考えるべきところだと思う。
僕はこれを仕事として関わる形にすることでより持続的な形に持っていきやすくなると考えている。ただ仕事としてかかわる以上生活ができないといけない。
ネットで調べると30代の平均年収は300万~400万らしい、仕事とするためにはそれを継続的に稼ぎ出す形を作らないといけない。
国内のマウンテンバイクフィールドで金銭的な面で安定しているところ、ほとんどないんじゃないかな?
僕たちTRAIL CUTTERは皆様にガイドツアーを利用していただきそのお金で現在80㎞のトレイルを維持している。幸いここまでこの仕組みで10年以上続けられているから一つの形かなとは考えている。でもちゃんと循環しているかというと自信をもってYESとはまだ言えないかな?
現状維持が精いっぱい。
とはいえツアーを利用してくれている皆さんが払ってくれるお金があってのトレイル維持、支持してくれる皆さんには感謝してもしきれない。
今後も継続的に安定して資金を調達していく方法を更に模索していかないとだね。

お金の切れ目がトレイルの切れ目にならないように。

これまで持続的なトレイルについて3回に分けて書いてみた。
ほかにも必要な要素は山ほどあるけど
権利者との対話、浸食に対しての対応、資金の確保、
この3点は特に重要だと考えまずは書いてみた。どれか一つ欠けただけでも持続させることは難しくなる。
アプローチ方法はさまざまあっていいと思う、みんなで知恵を絞っていつまでもマウンテンバイクが楽しめる仕組みを作っていきたいね。

最後に個人的ボヤキ。
お金も出したくない、労力提供もしたくない。でも山はみんなのものだからマウンテンバイクで走ることに対してとやかく言われる筋合いはない。
こういう人に限って陰口たたいて横やり入れるからとっても残念。

さて次回は何を書こうかな?

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